LIVE UP 2020

~ als20170208’s diary ~ 近況と日々の記録。

近況(平成30年4月5日時点)。

〝 治験 〟

現在私は治験に参加しており、本日はそのための定期検査と診察を受けるために、山口大学医学部附属病院へ行ってきました。

昨年2017年11月より12週間(約3ヶ月)に渡る前観察期間を経て、今年の2月8日から治験薬の投与が始まり間もなく2ヶ月が経過します。

検尿と血液検査の結果を受けて、今回私が参加している治験をご担当されている神経内科医のK先生による診察を受けてきました。

治験薬の投与による副作用らしきものはありませんでしたが・・・、

⁉︎

〝 尿路感染症

いわゆる膀胱炎(ぼうこうえん)みたいなものでしょうか。


心当たりは、アリアリです。

最近、身体が思うように動かないのでトイレに行くことが億劫になり、尿意を催しても多少我慢してしまうことが習慣になっていました。

もちろん、alsや治験に参加していることによる直接的な因果関係はありませんが、気をつけないといけませんね。

という訳で治験薬と併せて、念のためK先生が、抗生剤?のようなお薬を一週間分処方して下さいました。

↓ こちらは治験薬。



折角なので、現在私が参加している治験について、少しご説明しておきたいと思います。

まずはじめに、

〈 治験とは 〉

新しいお薬が一般的な治療に使われるようになるまでには、まず製薬会社等の研究室で化学的に合成されたり、天然に存在している物質からお薬になる候補を選び出すことから始まります。
次いで、動物等で試験が行われた後、健康なボランティアや患者の協力を得て、国からお薬として認めてもらうために、有効性(効き目)と安全性を確認する試験が行われます。この試験のことを〝 治験(ちけん)〟と言い、治験で使われるお薬のことを〝 治験薬 〟と言います。


〈 治験の前後の流れ 〉

1. 基礎研究
まずは薬の候補を選び、その構造や性状等を調べます。その後、動物等を使って有効性や安全性を調べます。
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2. 治験
(1). 第I相 … 少数の健康な人に協力して頂き、薬の体内での動きや好ましくない副作用が起きないか等を調べます。

(2). 第II相 … 少数の患者に協力(参加)して頂き、薬の有効性と安全性を調べ、どのように使うことが好ましいか等を検討します。
【 ※ 私が参加している治験は ☝︎ この段階 】

(3). 第Ⅲ相 … 更に多くの患者に協力して頂き、薬の有効性と安全性を検討します。
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3. 厚生労働省へ承認申請
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4. 承認審査
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5. 製造販売承認
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6. 発売
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7. 試験
第Ⅳ相 … 第Ⅲ相まででは分からなかった予期せぬ副作用等の情報を、一定期間調べ、厚生労働省に報告します。


以上、治験の一般的な流れ等についてご説明させて頂きましたが、以下は、今回私が参加している治験に関して、具体的にご説明させて頂きます。


1. 私の病気(als)について
筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)とは、主に中年期以降に発症し、上位運動ニューロン及び下位運動ニューロンが選択的にかつ進行性に変性、消失してゆく疾患で、筋萎縮と筋力低下をきたし、2〜5年の経過で嚥下障害や呼吸不全になります。発症率は、人口10万人あたり1.1〜2.5人で、60歳代から70歳代で最も発症率が高く、有病率は人口10万人あたり7〜10人とされています。今から4年前の平成26年度におけるALSの特定疾患医療受給者数は、全国で約9,950人でした。


2. 私が参加している治験とその目的
今回、私が参加している治験は、『孤発性(こはつせい)の筋萎縮性側索硬化症を対象としたE2007(ペランパネル)の多施設共同、二重盲検※a、無作為化※b、プラセボ※c対照、平行群間試験』となります。
その目的は、私のような比較的軽症のALS患者に治験薬(E2007)を飲んでもらい、E2007がプラセボ群に比べALSの進行を抑制する効果があるかを比較することと、その安全性を確認することです。

※a … 二重盲検(にじゅうもうけん)とは、患者にも担当医師にも誰がどの薬(治験薬又はプラセボ)を飲んでいるのか分からない状態にすることで、効き目や安全性の評価に影響がないようにすることを言います。
※b … 無作為化(むさくいか)とは、参加患者がどの群に割り付けられるかは、比較性を保つため無作為(ランダム)に振り分けられることを言い、このような比較試験では世界中で用いられる方法だそうです。
※c … プラセボとは、E2007と外見(見た目)は同じですが、薬の成分を含まず治療効果のない偽薬のことを言います。
何故、プラセボを使うのか?… 薬の成分を含まないにもかかわらず、「薬を飲んだ!」という意識から治療効果が出ることもあり、このプラセボを用いた試験は、治験薬の有効性を科学的に明らかにするために必要な試験となっているそうです。


3. 治験薬(E2007)について
E2007(ペランパネル)は、エーザイ株式会社が開発した〝てんかん〟のお薬で、1日4mgから12mgの用量で海外では日本に先立って使用されており、日本国内では、〝てんかん〟のお薬として承認を得た後、〝フィコンパ〟という商品名で2016年5月から発売されています。
E2007が〝てんかん〟に効く理由は、神経伝達物質であるグルタミン酸が作用するAMPA受容体(グルタミン酸受容体の一種)の働きを阻害し、細胞内へのCa2+流入を減少して、神経細胞の過興奮を抑制すると考えられています。
ALSの9割以上は孤発性で、孤発性ALSの脊髄運動ニューロン変性の病態には、AMPA受容体を介したCa2+細胞内流入増加が関与していることが知られています。従って、AMPA受容体拮抗薬であるE2007は、AMPA受容体を介した細胞内へのCa2+流入増加を阻止し、孤発性ALSにおける病態の進行を抑制する可能性があります。
孤発性ALSと類似のAMPA受容体の異常を持つARマウスにおいては、E2007の投与により運動能力など臨床的有効性も認められています。
このようなことからE2007は、既存の治療薬とは異なり、孤発性ALSの特徴的な病態を阻止するものであり新規治験薬となる可能性が高いと考えられています。


4. 治験への参加期間
この治験の参加期間は、①前観察期間として12週間、②治験薬投与期間として48週間、③後観察期間として4週間からなる全3フェーズ(段階)に分かれ合計64週間に渡って行われます。
従って、私の場合は来年2019年の3月上旬頃まで、継続して参加する予定になっております。


なお、前述のように現時点では投与されている治験薬が、E2007(当り)なのかプラセボ(ハズレ)なのかは、私も担当のK先生も知りません。これについては治験終了後に治験の主催者へ問い合わせすれば教えて頂けるそうです。


以上