訪看さんのケア内容について、ALS患者さんのご家族より、質問がありましたので回答したいと思います。
ちなみに、うちのカミさんも質問者さんと同じ考え方で、看護師さんには長く滞在してもらったほうが安心なので、訪問看護サービスを利用するようになった当初より、一度の訪問につき上限の90分間(一時間半)、マックスでケアしてもらってます。
身体を自ら動かせなくなるALS患者にとって、QOL(生活の質)を維持していくためには、リハビリはとても重要だと思うので、空いた時間があれば、とにかく看護師さんたちに身体を動かしてもらったら良いと思います。
ボクの日々のケア内容については、大体、次のような感じです。
朝のケア
◇ バイタルチェック
体温、血圧、脈拍、酸素飽和濃度、肺の音を聴診。
◇ 側臥位(そくがい)の姿勢になり、首筋から背中を中心にマッサージ
左右各20分ずつくらい。
寝たきりなので、四六時中、仰臥位(仰向け)の姿勢でいるため常に肺の裏側が圧迫されていることから、無気肺予防のためにも、とても重要。ボクの場合、既に右肺裏の下側が無気肺になっているため、同じ過ちは二度と繰り返したくありません。
◇ 背中を清拭
側臥位(横向き)になったついでに。
◇ カフアシスト
側臥位になったあとは痰が動きやすくなっている場合が多いので、カフアシストを使用することで効果的に痰を排出でききす。
◇ 胃瘻から、お薬と朝食を注入
◇ 口腔ケア(歯磨き)
寝起きに、カミさんに歯磨きしてもらってる場合は省略します。
◇ 顔面と胸部を清拭
◇ 各種医療機器のメンテナンス
アモレ(痰の自動吸引器)や唾液の持続吸引器の廃液処理及び清掃など。
◇ カフ上吸引とカフ圧の確認。
朝のケア内容については、大体こんな感じで、一日の中で最もやることが多いです。
昼のケア
◇ バイタルチェック
◇ ラジカット期間中は、点滴
◇ 胃瘻から、お薬と昼食を注入
◇ 口腔ケア(歯磨き)と顔面の清拭
◇ 排便管理
◇ 日によっては、朝に続き、再び側臥位
一日の中で、唯一、背中が圧力から開放されるケアなので、最も重要視しています。
◇ 各種医療機器のメンテナンス
◇ カフ上吸引とカフ圧の確認
◇ 土・日のうちいずれかは、介護ベッドから車イスへ移乗
昼は、時間が余れば、手足のストレッチをしたり、カフアシストしたり、LICトレーナーを使った呼吸リハビリをしてもらってます。
夕方のケア
◇ バイタルチェック
◇ 胃瘻から水分補給
◇ 気切部と胃瘻周りのガーゼ交換
◇ 各種医療機器のメンテナンス
◇ カフ上吸引とカフ圧の確認
◇ 月・水・金は訪問入浴の立会い
◇ 火・木・土・日は、希望に応じて洗髪
◇ 土・日のうちいずれかは、車イスから介護ベッドへ移乗
夕方のケア内容については曜日によって様々ですが、上記の他にも、例えば、訪問入浴のない日は、小顔マッサージを兼ねた表情筋のストレッチをしてもらったり、手足の爪を切ってもらったりと、その時の状況やボクのリクエストに応じてニュートラルに対応してもらっています。
以上、現在のところは、こんな感じです。