以下、10/21(火)付けの連絡メールを転載。
支部の皆様
JPA事務局ニュース No.378をお送りいたします
事務局 福原 理恵
From: 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 <jpa@nanbyo.jp>
Sent: Tuesday, October 21, 2025 1:00 PM
To: jalsa@alsjapan.org
Subject: JPA事務局ニュースNo.378
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JPA事務局ニュース No.378
2025年10月21日発行
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第4回「高額療養費制度の在り方を考える専門委員会」が開催
2025年9月16日(火)15時より「高額療養費制度の在り方を考える専門委員会」が、厚生労働省専用第21会議室にて開催されました。
JPAからは、大黒宏司代表理事が委員として出席した他、患者団体からの委員として、全国がん患者団体連合会(全がん連)の天野慎介理事長も同じく委員として出席しました。
当日資料は下記のURLよりご覧いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63522.html
<議事次第>
1.高額療養費制度について
今回は、これまでの参考人へのヒアリングで出された主な意見のまとめと専門委員会での議論を踏まえ、今後の議論について事務局(厚労省)より案が示された後、委員からの質疑等が行われました。
まず、事務局は参考人へのヒアリングで出された主な意見のまとめについて説明した後、これまでの委員会で共通認識が得られた点として以下の2点を挙げました。
- 高額療養費制度はセーフティネットとしてなくてはならない制度で、諸外国と比べてもこのような恵まれた制度を擁している国はほとんどなく、今後もこの制度を堅持していく必要がある。
- 高齢化の進展や医療の高度化、高額医薬品の開発などが今後も見込まれ、現役世代の保険料負担に配慮する必要がある中、制度改革の必要性は理解するが、その際には、高額療養費制度だけではなく、他の改革項目も含め、医療保険制度改革全体の中で議論していくことが必要である。
続けて、上記を踏まえると今後の検討にあたり、以下の点の議論を更に深める必要があるのではないかとの案が示されました。
- 高額療養費制度における給付と負担の在り方について
(低所得者や長期療養者への配慮、高額療養費制度における応能負担の在り方、仮のモデルを設定した負担のイメージやデータを踏まえた見直し) - 高額療養費制度を見直す場合に留意すべき、制度的配慮
(上限額引き上げにより多数回該当に非該当となることにより負担増、長期療養者の経済的負担に配慮した年間上限額の設定) - 現行制度における運用面を含めた課題への対応
(保険者の変更により多数回該当のカウントが引き継がれない、現物給付化されていることで費用総額が見えにくく、コスト意識に欠ける)
事務局からの説明に対し、大黒委員は以下の意見を述べました。
【大黒委員】
諸外国における保険制度の実態について、この委員会でもデータを示してほしいとの意見があったと思うので、どのような形で運用されているのか共通認識を作るためにも提示をお願いしたい。
また、資料1の6ページ二つ目の○(丸)に記載の通り、日本の医療保険制度改革全体での見直しの議論になると、この専門委員会の所掌を超えることになる。どこで、どのような形で議論を進めるのか、その場合この委員会の位置づけはどうなるのか教えてほしい。
そのうえで、三つ目の○(丸)には、以下の諸点については更に議論が深める必要があるとして、1ポツ目には例えば低所得者や長期療養者へ配慮しつつという点は挙げられているが、それ以外の課題については、この委員会の中でどのように検討していくか確認したい。
【事務局】
1点目のどこで議論していくかについては、この専門委員会が社会保障審議会の医療保険部会の下に設置されている専門委員会のため、医療保険制度全体の話は社会保障審議会の医療保険部会においての議論が中心になると考えている。今後、全体感を持った議論を医療保険部会で行う必要があると思うが、その状況はこの専門委員会にも適宜報告をしていくことになると思う。
2点目、低所得者や長期療養者の負担に配慮しつつと例示をしていることについては、第1回から第3回までのヒアリングや各委員の先生方の御意見の例示として示している。他にも様々な意見があり、また、これから議論を深めていくに従ってそれ以外の論点も出てくると思う。現時点で議論を絞るつもりはないので、幅広い観点から忌憚のない意見をいただければと考えている。
また、天野委員も以下の意見を述べました。
【天野委員】
まず、資料1の6ページ、最初の2つの○(丸)について、2点指摘したい。
1点目、今回特に患者の自己負担に関して議論の焦点が1つあると思うので、その点について海外との比較から意見を述べると、例えば欧州は比較的日本の制度に比較的近い制度を持っているが、ドイツの自己負担上限額は世帯年収の2%程度、フランスは抗がん剤等の代替性のない高額医薬品は自己負担がない状況にある。
医療のアクセス・質などは考慮していないが、自己負担だけで言えば、日本が突出して海外より低いことはなく、現状、高額療養費が適用されても年額で大体2割から3割程度の負担になっている状況があるということは指摘しておきたい。
2点目、高額療養費制度だけでなく、ほかの改革項目も含め、医療保険制度全体の中で全体感を持って議論していくことが必要という点について、私も第1回の委員会で、そもそも保険とは大きなリスクに備えるものであり、大きなリスクは共助中心であり、高額療養費制度は大きなリスクに備えるものであることから、まさに公的医療保険制度の根幹を成すものであるということを述べた。
医療保険制度全体で考える際に、この委員会で他の項目の議論をすることはないと承知しているが、ただ、他ではどういった議論が進んでいるのか、可能であれば事務局から示した方が望ましいと思う。
高額療養費だけ議論が先行することになると、保険の本旨を見失う可能性があるので、その点についてお願いできればと思う。
その他、他の委員からは、医療保険制度全体で見直しを前提にしたうえで、具体的なモデルケースを踏まえながら低所得者や長期療養者にも配慮した給付と負担のバランスを検討していくことが必要といった意見が出されました。
報告は以上です。
2025年10月21日(火)、臨時国会が召集され首班指名が行われます。会期は12月17日までの58日間となる見通しで、当初秋までに結論を得るとされていた高額療養費制度の見直しについても、動きが出るものと思われます。
第5回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会は、10月22日(水)10時より開催されます。委員会はYouTubeにてライブ配信されますので、ぜひご注目ください。
▼第5回「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」の開催について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64881.html
以上
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