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日本ALS協会@山口県支部のオシゴト。#88

 

以下、10/31付けの連絡メールを転載。

支部の皆様

 

JPA事務局ニュースNo.379をお送りいたします。

事務局 福原 理恵 

 

 

From: 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 <jpa@nanbyo.jp>
Sent: Friday, October 31, 2025 11:02 AM
To: jalsa@alsjapan.org
Subject: 
JPA事務局ニュースNo.379

 

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JPA事務局ニュース No.379
2025
1031日発行

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障害者雇用率に手帳を持たない難病患者を含めていく方向性が示されました

 2025103日(金)10時より「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」が開催され、障害者法定雇用率に障害者手帳を所持していない難病患者を含める方向で検討を進めることが示されました。
当日は、これまでの議論の経過や高齢・障害求職者雇用支援機構(JEED)により実施された実態調査の結果について説明が行われた後、論点として下記が示されました。

論点「雇用率制度の対象とされていない、障害者手帳を有さない難病患者の雇用率制度における在り方についてどのように考えるか。」
(資料14546ページ、以下に一部抜粋・要約)

障害者雇用促進法における経緯

  • 障害者雇用促進法における「障害」とは、身体・知的・精神(3障害)に加えて、「その他の心身の機能の障害」があるために、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者とされている。
  • 一方で、雇用義務の対象としては、3障害で原則障害者手帳の所持者に限るものとされてきた。

 以上から、手帳を所持しない難病患者については、「個人の状況を踏まえることなく、一律に就労困難性があると認めることは難しい」として、調査・研究等を進めた上で取扱いを検討することとされてきた。

障害者総合支援法における難病の位置づけ/身体障害者手帳との関係性

  • 障害者総合支援法上では、「障害者」として「身体・知的・精神」に加え、難病では376の対象疾病を位置づけており、手帳の対象でなくとも、対象疾病であることをもって、具体的な「制限」の内容を障害支援区分認定のプロセスで把握し、サービスの給付対象としている。
  • 一方、「身体障害者手帳」では、身体機能の障害が身体障害者福祉法別表に該当する場合に交付対象としている。

手帳を有さない難病患者と就労困難性の関係性

  • JEEDの調査研究結果から、難病患者のすべてを「平均」すれば、必ずしも就労困難性が高いわけではないが、数は少ないものの「手帳を申請し不認定の者」は「手帳所持者」と同等以上に、就労困難性のある者が多い傾向があり、必ずしも職業生活における制限が小さいとは言えない。
  • この状況を踏まえ、手帳未所持の難病患者は、本人の申請により医師の意見書等も勘案しながら、個別の就労困難性を判定、一定水準にある場合、まずは、実雇用率にて一定の算定を可能としてはどうか。
  • 個別の判定基準は、疾患による自己管理(休憩、服薬等)の必要性、疲れやすさや体調の不安定性等による仕事内容や働き方の制約などを参考にし、更なる調査研究や専門家の知見を交えた検討等を経て、対象範囲の公正・一律性が確保できる内容としていくことが必要ではないか。また、まず現に困難に直面している者を優先的に判断する等の円滑・着実な施行体制の検討が併せて必要ではないか。
  • 実雇用率における算定は、他の障害種別への影響が生じないようにする観点から、施行日以後の採用者を算入可とする、事業主単位の上限を設ける等の方策を検討することも考えられるのではないか。

当日資料は下記のURLよりご覧いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64238.html

これらの論点に対し、今回臨時委員として出席した大黒代表理事が以下の意見陳述を行いました。

【大黒臨時委員】
 私自身もJEEDの調査研究委員会に委員として参加する中で、次の点を実感した。
1に疾患ごとの進行性や体調の変動等の特性の違い、同じ疾患でも個別性が高いため、現状の障害の尺度で就労困難性を評価することが非常に難しいこと。
2に軽症・重症にかかわらず、外見上は健常者と区別が付かない場合が多く、痛みや倦怠感といった評価の難しい症状が就労困難性に大きく影響していること。
 今回の論点では、そのような評価がしにくい難病患者の中で、身体障害者福祉法の別表に該当しない等により不認定の場合も、必ずしも職業生活における制限が小さいとは言えないことが分かったのは、大きな一歩。
また、手帳を持たない難病患者本人からの申請に基づき、医師の意見書等も勘案しつつ、個別の就労困難性を判定するとされており、個々の難病患者への配慮が感じられ、大変有り難く思う。
 さらに、個別の就労困難性の判定基準の検討は、更なる調査研究や専門家の知見を交えた検討等を経て、対象範囲の公正・一律性が確保できる内容することが必要ではないかとの記載もあったが、公正な判定が行われるようお願いしたい。
加えて、現に困難に直面している者を優先的に判断する等の円滑・着実な施行体制の検討が併せて必要ではないかとの記載もあり、こちらも進めてもらえると有り難い。
 また、JEEDの調査研究によれば、手帳を持たない難病患者に対する職場での理解は不十分であり、半数以上が就労困難性を抱えているにもかかわらず、社会的な理解・配慮・支援が得られていないとされており、雇用率制度の対象に含めることで、企業としても支援を進めやすくなり、多様な人材とともに働く中で、難病患者の就労支援に関するノウハウを蓄積し、その個性を生かして働いてもらえるようになることが重要であると指摘されている。
確かに健康状態の変動や労務管理の負担、職場環境整備の必要性等、難病患者を雇用するにあたり事業主が懸念されるリスクは様々あると思う。
しかし、これらは必ずしも実態に即したものとは限らず、多くは情報不足や誤解に基づいているともされている。だからこそ、雇用率制度に含めることで、企業が就労支援のノウハウを積み重ね、難病患者に対する社会的な理解・配慮・支援が一層進むことを期待している。
 最後に、他の障害種別の方々への影響が生じないようにという配慮は、極めて重要な観点だと考える。
他の障害への影響も十分に考慮しつつ、手帳を所持していない難病患者を、障害者雇用率制度の中に適切に位置づけていただきたい。

 意見陳述の後、参画している委員からも意見が出されました。
一部使用者側の立場の委員からは、「判定基準などの詳細が明確にならないと賛否は示せない」との意見が出されたものの、障害団体所属の委員を含め、多くの委員が手帳を持たない難病患者の雇用率への算定に前向きな意見を述べました。

 報告は以上です。

 手帳を持たない難病患者を法定雇用率の対象とすることは、2021年の国会請願から請願項目の一つとして請願を実施し、2022年に成立した改正難病法の附帯決議に盛り込まれてきた他、この数年間は難病・慢性疾患全国フォーラムでも連続してテーマとして取り上げてきました。
今回、雇用率の対象としていく方向性が示されたことは、これまで取り組みを積み重ねてきた成果であると思います。

 しかしながら、対象範囲や判定の方法等、具体的な検討にあたっては多くの課題があり、まさにこれからがスタートとなります。
皆様のより一層のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

以上

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