『 A棟7階より火災が発生しました 』
『 至急、避難してください 』
昨日は、2~3日に一度の大放出の日。
胃ろうからの夕食を済ませ、しばらく経った後、看護師さんへ予めお願いしていたとおり、19:40から浣腸開始。
その後、カミさんと看護師さんの二人がかりで差し込み型の便器をお尻の下に敷いてもらい、そこで看護師さんには一旦病室から退出して頂き、カミさんとの共同作業に移りました。
いつものルーティン、、、
ベット上で仰向けの体勢では、自力で腹圧をかけることが困難なので、カミさんにお腹を押してもらいます。
すると、瞬く間に面白いように出て来ました。
そして、今夜も思い残すところなくすべてを出し切り、さぁ、看護師さんを呼んで後処理をお願いしようとしたところで、冒頭のアナウンスが繰り返されました。
『 A棟7階より火災が発生しました 』
『 至急、避難してください 』
『 A棟7階より火災が発生しました 』
『 至急、避難してください 』
カミさんへ外の様子を見てくるよう目配せしたのと同時に、カミさんがボクに向かって、微笑みながら言いました。
「大丈夫、〝おいてけぼり〟にはしないから・・・」
一人ぼっちになり、病室のベットから天井を見上げ、物思いにふけりました。
もちろん、この時、ボクのお尻の下の便器には大量の放出物が放置されたまんま。
分離手術を受けたお陰で、臭いを感じなくなっているとは言え、なかなかの存在感を辺りに放っているため、間違いなくそこにいる気配が漂ってきます。
あー、せっかく命拾いしたところやのに、こういうオチが待ってたかぁ。
などと、自分の最期を思い浮かべると笑けてきました。
そして、10分くらい経った頃でしょうか。
誤報の知らせと共にカミさんが戻ってきました。
警報をあまり信用してなかったのもあるのかなぁ、不思議と恐怖感のようなものは一切なかった気がする。