来週末、12/17(日)に山口大学医学部附属病院で行われる医療従事者向けセミナーで、現在、ボクが受けている「呼吸ケア」についてコメントを、、、とのことなので、以下に記しておきます。
【以下、ボクのコメント】
現在、「呼吸ケア」として、わたしが日常的に意識して取り組んでいるのは、次の二つのリハビリです。
一つは、呼吸を操る胸郭や呼吸筋の柔軟性を維持するためのストレッチで、もう一つは、肺の柔軟性を維持するための専用機器LICトレーナーを使ったストレッチです。
ALSの進行に伴う呼吸障害は、直接的には、肺にトラブルがあるわけではなく呼吸筋の筋力低下によるものなので、その胸郭や呼吸筋が柔らかいほうがより少ない筋力で肺を動かすことができますからね。これと同じで、併せて、肺も柔らかくしておくほうが、更に少ない筋力で肺を伸縮させることができますよね。
わたしの場合、2019年12月にこのLICトレーナーを使ったリハビリを開始し、残念ながら、その半年後の2020年5月に気管切開し人工呼吸器をつけましたが、その後も、これらのリハビリを継続しているおかげか、現在も、わずかながら自発呼吸が残っています。
こうして自発呼吸が残っていることにより、日常生活の場面において、入浴や車イスへ移乗する際などに人工呼吸器を外せるので、介助者もわたし自身も過度な負担やプレッシャーを背負わずに済みます。
また、このように胸郭や肺の柔軟性を保つことは、人工呼吸器をつけた際の気道内圧など、その設定において余力を残すことができ、後々の人工呼吸器管理が有利になると思います。
今年更新されたALSに関する最新版の診療ガイドラインにおいても、肺活量を増やすためのトレーニングとして「その使用は有用である可能性がある」との記述があるとおり、いち患者のわたしの実感としても、LICトレーナーを使ったリハビリに同様の可能性を感じているところです。
以上
♪ Lisa Stansfield - So Natural