2021.09.10 金曜日
LICトレーナーを使った呼吸リハビリを、原田さんから訪問看護ステーション白鳥の看護師さんたちへレクチャーしてもらいました。
ボクの実感として、ALS患者に対して、このLICトレーナーを使った呼吸リハビリは、人工呼吸器をつけていようがなかろうが有効だと思います。
なぜなら、ALSの進行に伴う呼吸機能の低下は、肺そのものの機能に問題があるわけではなく、肺を動かすために必要な胸郭や横隔膜が筋萎縮することにより起こるわけですから。
胸郭は骨格と筋肉で構成されており、横隔膜は筋肉でできていますからね。
であれば、胸郭や横隔膜の柔軟性を維持しておくことは当然のこととして、肺自体の柔軟性や拡張性を維持しておくことも、とても重要なことだと思います。
人工呼吸器を装着する前の患者さんの場合、たとえ筋力が落ちてきたとしても、肺を柔らかくしておくことにより、その分少ない筋力でも肺を動かすことができるでしょうからね。
また、すでに人工呼吸器を装着している患者さんの場合であれば、肺が柔らかくなることにより拡張性が増せば、その分人工呼吸器の設定を従前よりも肺に負担の掛からないものに変更できるでしょうからね。
そして、このLICトレーナーは、肺の柔軟性を維持・改善するためのリハビリに、とても有効な機器だと思います。
特に、気管切開する前の患者さんで、呼吸機能が落ちてきて苦しみを感じている方は、是非、一度試してみてください。
バイパップやカフアシストなんかより、ずっと楽に深呼吸ができますよ。
もちろん、バイパップやカフアシストの使用もリハビリ効果があるので、とても大事なことなんですけどね。
ちなみに、原田さんから教えてもらったところ、ボクの場合は、今から約二年前の2019年12月からこのリハビリを取り入れたのですが、その頃はまだ気管切開をする前で、自発呼吸の値は800ccだったとのことでした。
そして、先日、9月上旬に検査した際の自発呼吸の最高値は670ccでした。
ほとんど変わってませんね。
この程度なら誤差の範囲だと思います。
写真は、2019年12月、LICトレーナーを開発した寄本先生ら御一行が、山口県内での講演を終え、東京へ戻られる前にボクの自宅へ寄ってくれたときのもの。
⇩LICトレーナーについて、参考までに、、、