LIVE UP 2024

日本ALS協会山口県支部長のブログ。~ als20170208’s diary ~ 近況と日々の記録。

日本ALS協会@山口県支部のオシゴト。#13

 

関係各位

事務局から言われていた協会機関紙に掲載される原稿について、以下の文章で入稿お願いします。文字数は1200字以上でとのことでしたから、1500字強にまとめてあります。文字校正等はお任せしますので、ボクのほうでは、印刷前の最終稿だけチェックさせてもらえればOKです。なお、以下と同じ内容の文章をテキストデータで、事務局宛にメールしてありますのでご確認お願いします。

 

~ご挨拶~

皆さま、初めまして。

昨年12月に、日本ALS協会山口県支部長に就任した宇部市在住の福島と申します。年齢は、現在50歳。2017年、当時43歳でALSと診断され、その3年後の2020年、当時46歳のときに「生きる」選択をし、胃瘻の造設と気管切開手術を受け人工呼吸器を装着しました。以来、在宅で大きなトラブルもなく穏やかに過ごしております。

会員の皆さま、どうぞ宜しくお願い致します。

さて、今回は初寄稿ということで、わたしの闘病経験に基づいて、この困難を乗り越えるために必要と思ったことを、某大手広告代理店の『鬼十則』をパロってまとめてみました。

『難病ALSを生ききるための鬼十則

 1.体力が残っているうちに、胃瘻をつくっておくこと

胃瘻をつくるには、数日から場合によっては2週間くらい入院する必要があります。この入院期間中は、ほぼ寝たきり状態を強いられるため間違いなく体力は落ちます。そして、体力が落ちると、ALSの進行速度は加速する。

 2.呼吸が苦しくなってきたら、当然に人工呼吸器を利用すること

当然に呼吸が楽になります。アクティブな生活を送ろうとするならば必須アイテム。見た目の仰々しさほど大層なものではなく、自身の呼吸に合わせてタイミングよく空気が送られてくるという、至ってシンプルな装置。

 3.気管切開する際は、併せて、喉頭気管分離手術も受けておくこと

進行に伴い、必ず現れてくる症状が嚥下や構音障害。これらの症状が現れ始めると、自覚のないまま唾液などを誤嚥している可能性が高くなる。そして、この誤嚥を放置しておくと、無気肺になったり、最悪の場合、誤嚥性肺炎を引き起こす。

 4.コミュニケーション手段を確立すること

最終的には眼球しか動かせなくなることを想定しつつ、わずかでも動かせる部位が残っているならば、スイッチ入力と視線入力を併用するなど、状態に応じて創意工夫する。

 5.日々、リハビリに励むこと

動かせなくなったところは、代わりに誰かに動かしてもらうしかない。リハ職に限らず、看護師でもヘルパーでも誰でも構わない。関節の場合なんかは放置しておくと、最悪、骨と骨がくっついてしまうこともあるらしい。

 6.食生活に気をつけること

胃瘻をつくってからの一年間は、ラコールの半固形剤を唯一の栄養源として生きてきたんですが、ある時ふと思いましたよ。この先、何十年も生きてやろうと思ってるのに、栄養剤だけでつくられたボディて、冷静に考えたらヤバくないか?て。

 7.周囲を振り回して、多くの支援者を巻き込むこと

単純に、マンパワーが必要なのは言うまでもなく、この医療・介護業界は、職種によって役割が細かく分けられている完全な分業体制。したがって、ALSだから脳神経内科医だけに任せておけばいいやというわけではなく、リハビリのこと、看護・介護のこと、支援制度のことなど、様々な方の力が必要。

 8.常に、ヘルパーとなりうる人材を発掘すること

介護ヘルパーの高齢化問題や介護業界の離職率など、既にある事実をもとに鑑みると、長く働いてもらおうなどと考えるのは非現実的。そこで、わたしの場合は、医療職志望の学生たちを、ヘルパーとして積極的に起用している。理想とする組織体は学生の部活。あれも、卒業に伴って戦力は変動するけど、組織体制がしっかりしてるチームは、毎年、安定してそれなりの成績を残しますからね。

 9.感謝の気持ちを忘れないこと

ちゃんとしてくれた人には、ちゃんと感謝すること。

10.すべては、考え方と気持ち次第であること

まず「生きたい」と思う気持ちが大事。歯が折れたから差し歯にする、口から食べれなくなったから胃瘻をつくる、老眼になったから老眼鏡をかける、呼吸が難しくなってきたから人工呼吸器をつける、これらすべては、考え方次第。さあ、始めよか。

以上

 

 

♪ Bobby Caldwell - What You Won't Do for Love