関係者の皆さまへ。
『3.日常のケアについて』の内容を具体的に書き加えましたので、お手すきの時にでもご確認お願いします。
1.身体機能の状態について
~はじめに~
・2016年1月、左右いずれの肩からだったか忘れたが明確な脱力感を覚える。したがって、診断上はこの頃発症したことになっています。
・2017年2月、山口大学医学部附属病院に検査入院の結果、筋萎縮性側索硬化症(als)と診断が確定。
・2020年2月、宇部興産中央病院にて開腹手術により胃瘻(いろう)を造設。
・2020年4月、山口大学医学部附属病院にて喉頭気管分離術を受け、人工呼吸器を装着。
・2020年7月現在、alsを発症して4年目で自宅において療養中。
この病気と付き合っていく上で、大きなイベントである胃瘻の造設と気管切開を済ませ人工呼吸器を装着したおかげで、おおむね状態は安定しています。
(1)頭部
・鼻の下から上唇にかけた辺りが若干麻痺しており、完全に唇を閉じることが難しい。したがって、水分などを口に含むと吹き出してしまうことがあります。
・嚥下障害があるため食事、服薬、水分補給は、基本的に胃瘻から注入すること。ただし、喉頭気管分離術(誤嚥防止術)を受けているため、飲食物をいくら口から入れたとしても誤嚥することはあり得ませんので、ご安心下さい。一応、リハビリ代わりに口から食べる訓練を少しずつしており、水分とプリン・ゼリー系の滑らかな物は、まあまあ飲み込めるようになりました。
・感覚器官としての嗅覚自体は残存しているはずですが、分離術を受けたことにより口腔内の空気の流れが変わったため、実際に匂いを感じることはほぼありません。
・首が以前にも増してグラグラです。ベッド上から移動する際は、必ず頸椎カラーを装着すること。
(2)体幹《胸部・腹部》
・呼吸筋は落ちているものの自発呼吸があるため、人工呼吸器は外しても暫くは問題ないと思います。ただ、どの程度大丈夫なのか、数分だけなのか、それとも数時間外していても大丈夫なのか、その辺の詳しいことは分かりません。今度、ぜひ試してみたいと思います。
・自力で端座位の姿勢を維持することは困難。
(3)上肢
・全廃です。日常生活上で有効な動作は何一つとしてとれません。
(4)下肢
・この数か月の間に随分と筋力が低下しましたが、まだ、なんとか動かすことができます。
(5)その他
・身長175cm/体重64kg前後/血液型A
・最近のバイタルは、血圧(上)100~120(下)65~75、脈拍数50~65、血液中の酸素飽和度(spo2)98~99%と良好です。
・現在、外れた差し歯(前歯)を治療中。
・左側の鎖骨に金属プレートが埋め込まれています。素材は、チタン合金なのでMRI(磁気共鳴画像診断装置)の撮影には問題ありません。
・右裏側の肋骨が一本だけ折れたままの状態です。リハビリの際など触っていただければ骨が動くのが確認できると思います。激しく動かされない限りは痛みも大したことないので、過剰に気にしていただかなくて大丈夫です。
・左膝の前十字靭帯を断裂したままほったらかしにしています。こちらもリハビリの際にお気づきかと思いますが、永らくこの状態なので気にしていただかなくて問題ありません。
2.意思の伝達方法について
~はじめに~
介護ベッド上で過ごしている限りは、PCパソコン〈miyasuku〉を使ってコミュニケーション〈意思疎通〉を図ります。したがって、ベッド上にいるにも関わらず意思疎通が困難な場合は、PCパソコン〈miyasuku〉に何らかの不具合が起こり操作できなくなっている可能性が高いと考えて下さい。
(1)PCパソコン〈miyasuku〉
通常、コミュニケーションを図る際には液晶画面の白い部分に文字を表示しますが、それができない場合、ほとんどケースにおいて次の3つの事象が原因です。
【事象1】フリーズしている。
※PC自体は動くが、ソフト〈miyasuku〉のみがフリーズしている場合を含む。
⇨フリーズした場合は、PCパソコンを再起動して下さい。
【事象2】スイッチ入力用のコネクタ(SwBox)が外れている、もしくは外れかけている。
⇨スイッチ入力用コネクタ(SwBox)に接続コードを差し込んで下さい。稀に、異なる場所に差し込む方がいらっしゃいますのでご注意願います。
【事象3】視線入力装置のtobii〈トビー〉が所定の位置から外れかけていたり、ずれている。
⇨tobii〈トビー〉の裏面に磁石のシールが貼ってあるので、液晶画面の下側エリアにある所定の位置へ接着し直して下さい。
(2)透明文字盤
山口大学病院の川井先生がよく仰られていたように、文字盤を使ってのコミュニケーションは双方の思いやりと信頼関係が重要です。
日頃お世話になっている看護師やヘルパーの皆さん、そして、担当作業療法士のKさん、この文字盤をお貸ししますので、是非、ご自宅で旦那さんと練習してみて下さい。
『 目と目をしっかり見つめあって・・・ 』
もしも、実践で上手くいかない場合は、文字を指差して確認してもらっても構いません。いちいち考えて解決するようなことでもありませんし、ボクとしては正確に早く伝わるほうが助かりますからね。
(3)口パク
スムーズに伝わらない場合は、まず単語の母音を読み取って下さい。
例えば、ボクが「ト」「イ」「レ」という単語を伝えようとしたとします。
しかし、これが分からない場合、
「?」「?」「?」
⇩ ⇩ ⇩
「お」「い」「え」
このように口の動きで、まずは母音を読み取ります。
そして、その後は根気よく一文字ずつ探っていきます。
まず、1文字目の母音は「お」。
⇩
「お」「こ」「そ」「と」「の」「ほ」「も」「ろ」の中から、
⇩
1文字目は「と」に確定。
次いで、2文字目の母音は「い」。
⇩
「い」「き」「し」「ち」「に」「ひ」「み」「り」の中から、
⇩
2文字目は「い」と確定。
最後、3文字目の母音は「え」。
⇩
「え」「け」「せ」「て」「ね」「へ」「め」「れ」の中から、
⇩
3文字目は「れ」と確定。
したがって、ボクが伝えようとしていた単語は、
⇩ ⇩ ⇩
「ト」「イ」「レ」と判明。
3.日常のケアについて
~はじめに~
現在のところ、このカテゴリーについては、ほとんどのケアを看護師さんに行ってもらってますが、今後は、一般に医療行為と言われている項目を除いて、順次、ヘルパーさんにもお願いしていこうと思います。
(1)食事・服薬・水分補給
・食事は、朝・昼・夜と毎食、栄養剤のラコール半固形を2パック(600kcal)ずつ胃瘻から注入します。したがって、栄養剤による1日当たりの摂取熱量は1,800kcal。
・冬場を除いて、ラコールは常温で注入して下さい。
・服薬は、朝・昼・夜と栄養剤の注入時に併せて行います。錠剤で処方されているものについては、お手数ですが粉砕するか水に溶かしてから注入してください。
・水分補給については水道水で構いません。温度は25~35度くらいのイメージでお願いします。熱いお湯は勘弁して下さい。
・水分補給量に関して、現在(夏季)は、朝・昼・夜の栄養剤注入時に併せて各300mlずつを、そして、夕方と就寝前に各200mlずつを補給して下さい。合計で、一日当たり1,300ml。 夕方200ml、就寝前に300mlを注入して下さい。なにやらカミさんによると、最近、朝一の尿の量が少ないとやらで就寝前は+100ml増やしているそうです。したがって、一日当たりの水分摂取量は合計1,400ml。
(2)口腔ケア
・口腔ケアについては、基本的に毎食後、朝・昼・夜の3回ベッド上で吸引しながら行います。口から食べることがほとんどなく、喋ることもできないため、歯磨きによる刺激で口腔内のリハビリ効果も期待しています。
・歯を磨く際の力加減はしっかりと強めにお願いします。たとえ歯茎から流血したとしても、少々のことでは文句言いませんので。
・この吸引機能付き歯ブラシは、アイデアは良いのですが歯ブラシ部分が柔らか過ぎてボクには合ってないので、今のところほとんど使っていません。
【2020.07.25 看護師のYさんに協力していただき歯磨きの様子を撮影しました。】
白目の具合が、なかなかエエ感じでしたね。
※あっ、ちんこりんゴメンネ。せっかく撮らせてもらったんやけど、Yさんのほうが歯磨き上手やから、、、
(3)トイレ
・小便の際は、ベッド上で尿器を使います。介助者は1名。
・大便については、ベッド上で浣腸のうえ差し込み型便器で行います。頻度は2~3日に一度です。介助者は2名。
(4)入浴
・現在は、月、水、金と週に3回訪問入浴サービスでお世話になっております。基本的には、サービス業者のスタッフさん3名(ヘルパー2名、看護師1名)で入浴させてもらってますが、このとき補助的なスタッフとして、別途、訪看1名、ヘルパー1名にも加わってもらってます。合計すると5名体制での入浴介助になります。
(5)清拭と洗髪
・火、木、土、日と訪問入浴のない日は、だいたいベッド上で洗髪をしてもらっていますが、今のところ、清拭については日に何度か顔全体を拭いてもらう程度で大丈夫です。
・顔を清拭の際は目元を丁寧にお願いします。終日ベッド上で過ごしているためか、よくあくびが出ます。その度に涙が出てきて目ヤニが付きやすいので、頻繫に目の周りを拭いてもらうことがあります。
・洗髪は、すすぎを念入りにお願いします。特に生え際とか耳の周り。肌が弱いので泡が残っていると後から痒くなります。耳に水が入っても後ほど拭きとればよいのでガンガン水をかけて流して下さい。あと、飛び散った泡がオデコなどについて、そのまま乾いてしまい見た目には分からなくなってることが毎回なので、オデコからコメカミにかけた顔面の一部もしっかりと流して下さい。
(6)胃瘻と気切部分の管理
・胃瘻を使用する際は、毎回、お腹からポチッと出ている接続部分を回転させて、胃の中で癒着しないようケアして下さい。ほったらかしにしておくと潰瘍ができることがあるそうです。
・胃瘻、気切部ともにYガーゼは、毎日、交換して下さい。
・気切部分の外側まで痰があふれ出て、周辺が赤くかぶれている場合などは、患部をしっかりと清拭のうえ処方されている軟膏を塗って下さい。
・入浴後は必ずカニューレホルダーを交換して下さい。なお、カニューレホルダーについては、洗濯して再利用しますので廃棄しないようご注意願います。
(7)リハビリ
・特に上肢になりますが、自ら動かせないパーツについては、皆さんの力をお借りして、とにかく動かすことを心掛けようと思います。併せて、元々、柔軟性を欠いた体質なので積極的にストレッチを行っていこうと思います。
・現在のリハビリに関するスケジュールはこんな感じです。
月曜日:作業療法士のK先生
火曜日:理学療法士のU先生
水曜日:作業療法士のK先生
木曜日:難病看護師の原田先生〈呼吸リハビリ〉
金曜日:作業療法士のK先生
作業療法士のK先生と理学療法士のU先生については、上・下肢の関節可動域を維持、改善することを中心として、着替えなどの日常のケアが円滑に行えるよう拘縮予防を目的にリハビリしてもらっています。
この他にも、訪看さんがケアに入ってくれている際に時間的な余裕がある場合は、手足の簡単なストレッチやマッサージをしてもらってます。今後、このストレッチ&マッサージについてはヘルパーさんにもお願いしようと思います。
※以下の項目については、順次、加筆していきます。
4.医療機器について
~はじめに~
(1)人工呼吸器
(2)カフアシスト
(3)アモレSU1
(4)ピンクの吸引器
(5)ペットボトルの吸引ポンプ
5.福祉用具について
~はじめに~
(1)車イス
(2)介護ベッド
(3)つるべー
(4)屋外昇降機
(5)シエンタ