詳しいことは言えませんが、最近、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された複数の患者さんの関係者から相談を受ける機会が出てきたので、ここで一度、『ボク的als観』について記しておこうと思います。
以下に述べることは、あくまでも、現時点における、ボクの個人的な考え方であることをご了承ください。
~意志あるところに、必ず道はある~
ALSが過酷な病であることに間違いはありませんが、「まだ死にたくない、もっともっと生きていたい」という患者さんの意志さえあれば、ALSは死ななくてすむ病気です。
呼吸筋が麻痺して呼吸が苦しくなれば人工呼吸器をつければよいし、嚥下障害が進行し口から食べれなくなれば胃瘻をつくればよい。
例えば、末期の癌患者さんなど、世の中には「まだ死にたくない、もっともっと生きていたい」と望んでも、治療の施しようがなく、それが叶わない方がたくさんいらっしゃいます。
そう考えるとALS患者さんは恵まれたほうです。
もちろん、ALSは身体が動かなくなっていく病気なので、進行すると人の手を借りない限り、単に人工呼吸器をつけたから、胃瘻をつくったからといって、生きていけるものではありません。
このことから、患者さんの中には、家族に迷惑がかかるからという理由で延命を選択されない方が結構いらっしゃるようですが、あれは妄想しすぎですよ。
現在、日本におけるALS患者に対する社会福祉制度は、世界的にみてもトップレベルで整備されているので、これらを上手に駆使すれば、家族の負担を最小限に抑えて、それなりに生きていくことができますからね。
冒頭に記したように、ALSは身体の自由を奪われていく過酷な病気ではありますが、患者さんの意志次第で『生きるか死ぬか』を選択できます。
はっきり言っておきますが、ボクは『生きる』道を選択したので、今後、ボクのところにALS患者さんが相談にいらっしゃるようなことがあれば、その方が、現在、どのような境遇に身を置かれているかに関わらず、ボクと同様に『生きる』道を推奨させて頂きます。
診断されて間もないと、不安ばかりが先行するでしょうが、意志あるところに必ず道はあります。
生きていける方法を一緒に考えていきましょう!