ショートステイとは、介護者が急な用事や病気等で家を留守にする場合や、日頃の介護疲れからの休息を目的として、被介護者を短期間だけ専門の施設に入所させ、介護者に代わって、専門のスタッフに日常生活上の面倒をみてもらうという介護サービスのことを言います。
で、先週末の二日間、初めてこの介護サービスを利用させて頂いたのですが、正直に申し上げると、僕的には、なかなか厳しい体験でした。
あっ、誤解がないように予めお断りさせて頂きますが、施設やスタッフの方々には何ら問題はありませんでした。むしろ、僕が想像していたよりも満足度の高いサービスを提供されているように思いました。
建物や設備等のハード面においては、オープンしてからまだ三年程度と新しく、清潔感もありましたし、完全な個室が割り当てられ、トイレや洗面台も各部屋ごとに備え付けられており、居心地の良い空間が確保されておりました。
では、何が問題だったのか。
一言で言えば、サービスを受ける側の僕の方に問題がありました。
初めて顔を合わせる見ず知らずの他人様に、介護をお願いするということがどういうことなのか、心の準備が整っておりませんでした。
『 どんな些細なことでも構いませんから、介助が必要な場合は、遠慮せずに仰って下さいね 』
例えば、小便をしたいからスウェットとパンツを下ろして欲しい、ノドが渇いたからペットボトルのお水を飲ませて欲しい、身体をベッドから起こして欲しい、テレビのリモコン操作を代わりにして欲しい、顔や頭が痒いから掻いて欲しい、掛け布団をかけて欲しい等々。
今回お世話になった施設では、呼び出しボタンを押せば、すぐにスタッフの方が部屋まで駆けつけてくれる体制が整っておりました。
事前の打ち合わせにおいて、指先をはじめとする上半身が不自由なことはお伝えしてありましたので、この呼び出しボタンについても、僕仕様に介護ベッドの足下に移設され、足の指先で押せるように配慮が行き届いておりました。
しかし、いざとなるとこれがなかなか押せないんです。
⓵ こんな事でいちいち来てもらっても良いのだろうか? という気後れと言うのか、それとも遠慮と言うのか。
⓶ こんなシモ(下)の世話を初対面の他人様にしてもらうの? という羞恥心。
この二つの感情が、主な原因であるのだろうとは思うのですが、、、
これらの感情による影響からか、わざわざスタッフの方に来てもらって、その都度、負い目を感じるくらいなら、我慢してやり過ごしたほうが、よっぽど気持ちが楽だなぁと思いました。
〝 ええカッコしい 〟なんでしょうか。
いや、そう言うのとも何かちょっと違うような気がします。
結局、この二日間で、介護ベッドの足下に設置された呼び出しボタンを、僕が押すことは一度もありませんでした。
あまりにも僕の部屋から呼び出しが掛からないことから、逆に、スタッフさんの方から頻繁に様子を見に来るという状態になっていました。
11月10日(土)の7:30に施設を訪れてから、翌11月11日 (日)の19:30にカミさんが迎えに来てくれるまでの間、わずか36時間の滞在。
〝 あっという間 〟という感覚からは、ほど遠く、僕にはとても長く感じられた二日間でした。
カミさんに迎えに来てもらってからの帰り途(みち)、自宅へ向かう車内での二人のやり取りについて、関西弁に変換して再現すると、
⬇︎ こんな感じでした。
カミ 「で、どうやったん?この二日間」
カミ 「快適やったんか?」
僕 「・・・・・」
カミ「アンタっ! 普段、家でわたしがやってあげてるようなことを、同じように、ちゃんと施設でもやってもらったんやろうな!?」
僕 「・・・・・、今は話したくありません」
カミ 「家から持って行ったペットボトルの水、なんであんなにようさん残ってんねん? 」
カミ 「ノド(喉)、渇かんかったんか?」
僕 「・・・・・」
カミ 「まぁええわ、話したないんやったら」
カミ 「あんたッ、覚悟しときや!」
カミ 「さっき、もう次の予約をお願いしといてあげたからね」
僕 「 ⁉︎ ・・・」
僕 「なにそれ? どういうこと?」
カミ「次回、来月12月は3泊4日のコースやで」
僕 「えっ、ウソやん⁉︎ 」
僕 「絶対に嫌や!」
僕 「オレ、絶対に行けへんで!」
カミ「アホっ、あんたは一体何を勘違いしてんねん」
カミ 「あのな、あんたに選択の余地を与えた覚えはないし、意見を求めた訳でもないわ、ボケっ!」
カミ 「わたしの言うた通りにでけへんねんやったら、今スグ出て行け!」
僕 「・・・・・・・・」
と言うような訳で、
施設の皆さま、この度はお世話になりました。と同時に、来月も宜しくお願いします!