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~ als20170208’s diary ~ 近況と日々の記録。

お土産、頂いちゃいました。

2018年1月29日(月)


竹本さん(Sさんの義理のお父さん)のお話によると、現時点でSさんご本人は病気になってしまったことについて、この病気とこれから先どのように向き合っていけばいいのか等考える余裕がなく、今は只々そっとしておいて欲しいというのが正直な心境のようです。

ですから、今回の家族旅行に関しても全て竹本さんが主導して計画されたものだそうです。

で、竹本さんが旅行先に何故山口県を選択したのかと言うと、現在、Sさんを取り巻く医療現場の環境と、僕のブログを見て得た情報とを比較してみたところ、何点か疑問に思うところや質問したい事があったようで、それらを解決するためにも直接僕に会って話を聞いてみようということになったそうです。


その疑問点とは、次の三点でした。


1. 一点目は、ラジカット治療に関すること。

ラジカットについて、Sさんの主治医の先生に問い合わせたところ、そのような治療(エダラボン『商品名: ラジカット』)をするには、「まだ、早い」と言われてしまったそうです。

驚きました。当然、このような話を聞いたのは僕は初めてです。当事者ではありませんし、ましてや僕はお医者さんでもないので、無責任なことは言えませんが、少なくともこの治療法がALS患者に対して有効とされているのは、比較的軽症な病初期の患者を対象としたものであるということが通説となっているはずです。

確かに、僕自身もこの治療を受ける前に臨床試験のデータ等を見て自分なりに調べてみたところ、その効果の程(ほど)については疑問がありましたし、同じような印象をお持ちのお医者さんがいらっしゃることも事実だと思います。

けれども有効な治療方法が無いなかで、このラジカットは、僅かながらでも進行を遅らせる効果があると、正規の手続きを経て国から認められた治療であるということも事実です。

「まだ、早い」と仰られた、Sさんの主治医の先生の真意が何なのか、僕には分かりません。

この発言が事実だとするならば、いわゆる難病と言われている、未だ効果的な治療法が確立されていない病気を抱えた患者に対する医師の姿勢が問われるような出来事だと思います。

僕が検査のため大学病院に入院していた頃、「福島さんの病気は、alsです」との確定診断を受けてから数日後、この治療を受けるかどうかまだ迷っていた時に、山口大学医学部の学生が、夜遅く、消灯後に僕のベットまでわざわざやって来てくれて言われたことを今でも覚えています。

「福島さん、ラジカットの治療を受けるつもりがあるなら、早く始めたほうがいいです。」
「統計上、この治療法は早ければ早いほどより効果があるということを、データが示していますから・・・」



2. 二点目は、マイボイスについて。

なんと、このマイボイスに関しても、Sさんの主治医の先生に相談したところ「まだ、早い」って言われたそうです。

もう、こうなると僕には全く理解できない状況なので、声を保存しておくつもりがあるのなら早急に東京へ行くべきですよ、と進言させて頂きました。

とりあえず自身の声の素材さえ録音しておけば、マイボイスのシステムを利用するかしないかは、後から判断すれば良いことですからね。

それにしても、症状として既に構音障害が出現しているというのに「まだ、早い」って。

構音障害とは、平たく言うと発声障害のことで、症状が進行すると本人は話し辛くなっていき、その聞き手側は聞き取り辛くなっていきますので、次第に本人の声でコミュニケーションを図ることが難しくなっていきます。

「マイボイス外来」を受診するためには、東京へ行かなければならないので、もちろん交通費等の費用がかかるため、経済的には負担になりますが、それだけの価値はあると思います。

ちなみに「マイボイス外来」を受診すること自体は医療保険が適用されますので、通常ほとんどの方は3割負担で済むと思います。

東京都立神経病院の本間先生には、後日ウチのカミさんの方から、Sさんのことに関してメールで一言連絡しておく事にしました。



3. 三点目は、問い合わせ等の窓口について。

山口大学医学部附属病院の診療連携室や宇部記念病院の地域連携室のように、患者の諸々の相談事等に対応して頂ける窓口が、現在、Sさんが通っている病院には存在しないそうです。

そのため現在のところ病気に関連するほとんどの情報(治験、医療費、福祉機器、行政サービス、各種の手続き等々)に関しては、竹本さんと娘さんがインターネット等を通じて自力で収集されているそうです。

これではやはり限界があります。

この点については、難病を抱える患者をバックアップする態勢が整っている環境なのか否か等、暮らしている地域によっても事情が異なるのかもしれませんので、正直なところ僕にはどうすれば良いのか分かりません。

〝 日本ALS協会 〟

各地域ごとに支部が設けてられているみたいなので、恐らく患者にとって有益な情報が蓄積されているであろう日本ALS協会に加入して、その協会から情報を提供してもらえば良いのでは?ということぐらいしか、この場では思い浮かびませんでした。

ただし、僕自身が病気になってからこれまでのところ、日本ALS協会に加入したことがありませんので具体的なことは一切分かりません。

【 日本ALS協会HP 】
http://alsjapan.org/

【 日本ALS協会 近畿ブロックHP 】
http://alskinkisince2016.wixsite.com/als-kinki-block



大好物のお土産を頂いちゃいました。
有り難く頂戴致します。




病気になり診断が確定してから、まだ気持ちの整理がついていないのにも関わらず、偉そうなことを言ってしまうけどゴメンなさいね、先に謝っておくわ。

最後に僕は、Sさんに対して次のようなお話をしました。あー、これは僕自身に向かって言っていることでもあるので、これを見て不快な思いをされた方がいらっしゃったとしても苦情は受け付けませんので、悪しからずご了承を。

病気になってしまったことについては今更考えても仕方がないから諦(あきら)めろ、ほんで、この病気に早く慣れろ。僕が思うにこれが一番気分が楽になる方法やと思うで。

気持ちが落ち着いてからでいいけど、キミの手が動いとる間に病気のことについて、もっと自分でちゃんと調べろ。スマホが一台あればそこそこの情報は得られるはずやから。情報量は決して多くはないからすぐ済むわ。

一通り調べたら、現在の自分の症状と照らし合わせてみて将来自分の身体に起こりうることをイメージし、ほんで、それに備えろ。ここまでしたら後はこの病気のことは忘れてしもたらええねん。しつこく言うけど、病気のことばっかりいつまでも考えてても仕方がないからな。

今後、キミがどういう選択をするのかは知らないけども、自分が望みさえすれば、この病気が直接の原因で命を落とすことはないからな。

もちろん人工呼吸器を付けるとなったら、家族が被るであろう負担は計り知れないし、完全に閉じ込められた状態(TLS)なんかを想像したら簡単には決められないやろうけども、それでも生きるか死ぬかを自分の意思で選択できるっていうのは、不幸中の幸いでラッキーやで。

最後に、義理のお父さんに感謝せなあかんで。血の繋がりもない人間にこんなに必死になってくれる人はなかなかおらんで、ホンマに。

こんなお話を二時間ほどして、最後は少し表情の明るくなったS君と握手をしてお別れをしました。

今夜は、みなさん湯田温泉に泊まって、明日は下関で名物の瓦そばを食べてから大阪へ帰られるそうです。

それでは竹本家とS家のみなさん、残りのご旅行を楽しんでって下さい。