先のブログで触れましたが、
7月9日付で、一般社団法人ライブアップ・サポートを設立しました。
当法人の目的は大きくふたつあります。
ひとつは、敢えて先に挙げますが、ALSを治る病気にすること。
ALSかもしれないという現実と向き合ったとき、治療方法がないという事実をなかなか受け入れることができませんでした。
私たちは研究者ではありませんから、自ら治療方法を見出すようなことはできません。
微力ながら、法人の活動を通じて、研究分野へ貢献したいという思いがあります。
そして、相反するようですが、もうひとつは、ALSとの共存です。
ALSになってよかった、と思えることはおそらくありませんが、ALSになったからこそ、見ることができた景色はたしかにあります。
ALSによって失うものは大きいです。
手足が動かなくなる、食事ができなくなる、呼吸ができなくなる…。
しかしながら、失ったものは(現時点では)戻らなくても、他の方法で補うことはできます。
介護者に助けてもらう、車椅子を利用する、胃瘻をつくる、人口呼吸器を装着する…。
今の日本には、それを実現する法律があり、仕組みはあります。
ただ、この支援制度はまだまだ十分ではなかったり、実質的に機能していないところがあります。
それらを改善し、ALSが治らない病気であっても、自分らしく生きる選択ができる支援体制の構築を目指しています。
これは、呼吸機能が低下してきたとき、気管切開をして生きる選択を「しない」人を否定するものではなく、「できない」人を生みたくないという思いです。
まずは、夫の介護体制を万全にすることからにはなりますが、ALSや他の神経難病の患者や家族を支援できるように考えていることがあります。
それについては、長くなりますので、また改めたいと思います。
最後に、私たちは、ALSかもしれないと疑いを持った日から、ALSという病気を常に意識し、ALSは日常にありました。
しかしながら、日本のALSの患者数は約1万人で、近年ではALSという名前はそれなりに聞かれるようになったかもしれませんが、まだまだ広く認知されている病気ではありません。
ALSを治る病気にするためにも、ALSと共存できる支援体制を構築するためにも、ALSという病気に対する正しい認知の向上が不可欠です。
これからの活動において、どうか皆さま方のお力添えを頂けますよう、宜しくお願いいたします。